種と野菜と起業と私

無縁だった農と出会って人生が変わっていくお話

直売所人気の加工品だったものとは

直売所では野菜だけではなく、農家さん自身が生産した作物を使って加工品を作っている人たちもおりました。

当時はまだなかった言葉でしたがこれはまさに「6次産業」でしたね。

数年後、1次産業=生産 2次産業=加工 3次産業=販売 の数字をそれぞれ足して6次産業と呼ばれるようになり、国や県でも多くの補助制度で支援されるようになりました。

 

加工品販売は保健所の許可が必要なので、施設整備した生産者さんでなければ作ることができませんでしたが、当時、漬物だけは許可が必要なかったため、たくさんの農家さんが自家製の漬物を販売しておりました。

これがとても人気だったのです。

きゅうり、白菜、大根等使っている野菜は同じでも、漬け方が皆違うため、選ぶ楽しみもあったのでしょう。本当によく売れました。当時は。

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現在は保健所の許可が必要になってきたみたいで、先日も秋田のいぶりがっこの存続が危機だとニュースで拝見しました。恐らく「浅漬け」の事故があったからでしょう。今まで生産していた方々も高齢となり、これから大きなお金をかけて保健所の許可を取るために設備投資はできない人がほとんどですから、この伝統も廃れていくんですね。なんだかなぁ・・・。本来漬物は保存食ですので、強い塩分で菌の活動を抑制して保存してきました。浅漬けとは違うものなんですけどね。

事故を防ぐための法律は必要だと思いますが、伝統を守るためにはどうするかもあわせて検討してほしかったと感じます。こうして漬物も工場生産となり、原料を安く中○から輸入して大量生産して販売されていくんですよね。残念でなりません。

 

最近直売所に出向くと、昔大量に販売されていた漬物コーナーが随分縮小されていっているのを見ます。時代とはいえ、あのお母さんたちが作っていた味を引き継ぐ人もいないことは寂しいことですね。それとあわせて、漬物文化が縮小すれば同時に野菜も売れなくなるわけです。秋の終わり頃には大袋でたくさんの漬物野菜が売られていましたが、今ではその光景も段々となくなりつつありますね。

 

人気の加工品「だった」のになぁ・・・。

 

続く