種と野菜と起業と私

無縁だった農と出会って人生が変わっていくお話

農産物に高値がついたとき直売所では・・・

自分で価格を決められない農業システム。

出荷してみなければ分からない「価格」。

今年は安いのか、例年並みか、高いのか。

その中でも「高値」がつくときがあります。

それは、収穫量が少ないときや需要が多いときです。

残念なことに収穫量が少ないときというのは、日本のどこかで災害が起きたとき、悪天候が続いて生育不良となったときなどです。

 

私は当時、生産者さんからこんな話を聞いたことがありました。

生産者「他の地域で災害が起きると、農産物に高値がつく。だからそれを喜んでいる生産者がいるし、望んでいるヤツがいる。大きな声では言えないけどね。」

耳を疑いました!なんてことだと(怒)。

 

市場や○協で高値取引になると、直売所はものの見事に「品薄」の状態になります。

生産者さんは当然「高く売れる」所に商品を持っていきます。

普段、その野菜の、その生産者さんのファンであるお客様はもはやどうでもいいわけです。悲しいですが、そういう生産者さんが結構いることに気付いた時、本当にがっかりしたことを覚えています。

それだけではありません。生産者さんが農産物を持ってこなければ、当然売上がたちませんから、直売所の職員の給料、様々な固定経費にだって影響があるわけです。

しかも、売場に商品がなければ店の評判もガタ落ちです。

でも、そういう生産者さんはそんなの関係ないのです。自分のが売れればそれでいいのです。直売所はただの「捌き場所」としか思っていない人がいるんです。

農家さんそれぞれの生活に関わることですから、もちろん高く買い取ってくれるところに持っていくのは当然のことです。しかし、直売所のお客様はどうでもいいのでしょうか?そういうときは直売所だからと言って安く売る必要はないと思うのですがね。

 

そんな状況のときでも、市場や○協さんに出荷する分と直売所に出す分をきちんと分けて出荷してくれる生産者さんもいます。こういう生産者さんは普段からきちんとこまめに納品に来てくださいます。

自分の都合だけでモノを持ってきたり、持ってこなかったりという生産者さんは、色んな卸先を天秤にかけている人が多いと感じています。店が欠品しようが関係ないわけです。

では、店側からしてみたら、どちらの生産者さんを応援したくなるかといったら、当然前者の生産者さんですよね。お客様から注文が入ったら、普段から毎日納品している生産者さんに納品をお願いします。当たり前のことです。

ですが、「自分に注文が来ない!」と叫ぶ生産者の方は、後者の場合が多いのです。

自分の都合でたまにしか納品に来なかったら、店のスタッフが注文するわけがありません。スタッフに文句を言う生産者の方を見たときは、驚いたものでした。

何日も何ヶ月も棚がガラ空きになるという商売を私は初めて目の当たりにしました。

普通の商売であれば、棚を与えられたら欠品できないのが常識だと思っていたので、もし自分が出荷できないのであれば、出荷できる方にお願いしてでも棚を埋めてもらうべきですが、自分の棚を渡さないで、ずっと欠品状態でいられるなんて考えられないと感じたものでした。

 

農産物が高騰!というニュースが流れると、直売所には多くのお客様がやってきます。

少しでも安いものを求めるからです。他の野菜等出荷を多く出すことができれば、そういう年の直売所売上は高くなる傾向にあります。

 

さぁ。

反対に「安値」のとき、直売所の売場はどうなるでしょうか。

 

続く