種と野菜と起業と私

無縁だった農と出会って人生が変わっていくお話

困った「客」

またしても失礼な書き方「客」。

若い頃「お客様は神様です」の名残がまだあった時代に育った私。

過去のお仕事上、確かにそう思わせていただいたお客様にばかりお会いしていたので、それは間違いのない事実だと信じて疑わなかったのです。ここに来るまでは・・・。

 

とある平日の昼。

売場からスタッフが事務室に走ってきました。*スタッフが走ってくるときは、大体よろしくないことの報告が多いです。(泣)

「大変です!お客様(←そう呼んでいるスタッフは偉い!)が暴れています!」

 

私「またか・・・・・・」

 

売場に急いで言ってみると、パンチパーマが伸び切った白髪交じりのヤクザ風を気取ったジジィ(←普段はこのようなことは言いません。あしからず。)が大声を出して、レジのスタッフに怒鳴り散らしていました。しかも、ジジィは手に持っている新聞紙でバンッバンッとレジカウンターを叩いています。

レジに並んでいるお客様も怖がっておられるので、これはなんとかせねばと。

とにかく何があったのか、スタッフに聞いてみましたところ、「レジに多くのお客様が並んでいたので、会計まで少しお待ちいただく状態でした。そしたらあの人がいきなり『早くしろ!バカヤロー!』と怒鳴ってきまして・・・で、その人の番になったとき、レジスタッフが『お客様、お酒入られてます?』って言ったらもう、激怒しまして収まりきれなくなりました」

 

あ~、そういうことか・・・。(火に油を注いだパターンですね、これ)

まっ、とにかくここからジジィを裏に移動させなければ!

 

私「(死んだ魚のような目で)お客様、お話を伺いますので、こちらに来ていただけないでしょうか?」私の心の声『うっ!超酒臭いっ!!!』

ジジィ「なんだとぉっ!あのレジの女が悪いんだ!あいつに土下座させろっ!」

私「(目が怒った状態で)まずはお話を伺いますので、こちらへ・・・」

そしたら、怒りながらも素直に裏の部屋に来ました。

 

部屋に入るなり、ドアも壁も蹴り上げ、持っていた新聞紙を振り回し続けています。

 

私「・・・・・」

ジジィ(新聞で机を叩きまくっている)

ジジィ「こんなとこに呼びつけて俺を誰だと思ってんだっ!俺はなぁ○☓○△○☓・・・・」←何言ってるか分かりませんでした。

私「すみません、存じ上げません。今回はレジが混んでいたために、お待ちいただきまして、大変ご迷惑をおかけいたしました。またスタッフが発した言動につきましては、こちらから注意させていただきます。」

ジジィ「なめてんのか!テメェ!あの女に土下座させろっ!」

私「それはできかねます。どうしてもとおっしゃるのであれば、それは強要にあたりますので、警察にご連絡させていただきますが・・・」

ジジィ「クソッ!覚えとけよっ!」と、新聞紙で私を殴ろうというポーズをとるジジィ。ハイハイ、忘れるわけないでしょうが!

ジジィが何を言おうが、私は生気のない表情でヤツが落ちつくまで、無駄な時間を過ごし、ヤツは諦めてやっと出ていきました。

またレジに行かれては困るので、外に出ていくまで「もう2度と来るなっ!」と呪いをかけながら見送ってやりました。(笑)

 

自分の親以上の年齢でありながら、ほんとどこに歳取って生きてんだか、こんな人が本当に多くて驚きました。

 

私はこの施設で学びました。「お客様は神様ではないっ!」と。

 

こうして、私はますます強く、イヤ、こんな輩に動じない精神が身についていくのでした。

 

続く