種と野菜と起業と私

無縁だった農と出会って人生が変わっていくお話

嫌いだったものを美味しいと感じた瞬間

野菜嫌いだった私はさらに苦手なだったものにチャレンジする日が来ました。

 

よもぎ団子】です。*団子といっても串ダンゴではございません。

餅は子供のころから大好きだったのですが、その中に入っている【あんこ】が大の苦手だったのです。あの甘さや小豆の食感がとにかく苦手で・・・。ほんと呆れるくらい好き嫌いが多いまま大人になっていました。

 

ある日のこと。

お彼岸が近くなりますと、私の住んでいる地域では「彼岸団子」を仏様に供えます。

その彼岸団子は白や緑のお餅の中にあんこがはいっています。彼岸の時期になるとどこのスーパーでも小売店でもたくさんの彼岸団子が売られています。

直売所の生産者さんも手作りの彼岸団子を販売します。

そしてそのお彼岸のとき、ある生産者さんが私に「できたてだから食べてみろ」とよもぎ団子を差し出してくださいました。

さぁ、またまたきました!苦手タイムです。これだけは勘弁してくれ~!と心の中で叫びましたが、そこは大人の30代、涼しい顔で「あ、ありがとうございます、い、いただきますっ!」と生産者さんの目の前でガブリっ!

大丈夫か自分、吐き出すなよ!と心の中で叫ぼうとしたその瞬間。

 

「ん?・・・あれっ?・・・」

「お、お、おいし~~~~~~~~~~~っ!」

『私食べとるぞ!食べれるぞ!イヤ、うまいじゃないのぉ~これ!そんなに甘くないし。』

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またも衝撃でした。あんなに嫌いだったあんこを産まれて初めておいしいと感じた瞬間だったのです。もちろんお餅も生のよもぎがたっぷり入ってとてもおいしかったのです。

 

一体、何が違うんだろう?

野菜だけではなく加工品でも衝撃を受けた私は、何が違うのか生産者さんに聞いてみました。

 

私「何か特別な製法があるんですか?」と聞いたら

生産者さん「いや、何もない。昔からずっと作り方は変わらないよ。」

私「産まれて初めてあんこを美味しいと思ったんです!」

生産者さん「なんであんたが食べれたか分かんないけども、育てた小豆を収穫して、茹でて塩と砂糖しか入れてないし、特別なことなんてなぁんもしてない。」

 

う~ん、何が違うのかなぁ?と他の生産者さんにまた聞いてみたのです。

生産者さん2「添加物が入っていないからじゃない?」

私「添加物って何ですかね?」

生産者さん2「スーパーで売ってるのはさぁ、保存料とか他の添加物も入ってたりするでしょ。あと砂糖だってめちゃくちゃ入ってるから甘すぎて苦手だったんじゃないの?」

 

「なるほど・・・」

 

こうして私は加工品でも衝撃を受け、野菜だけではなく農産加工品まで興味を持たされるハメに、イヤ、心を動かされることになっていくのでした。

 

続く

野菜の旬に気付かされる・・・

野菜がおいしいものだと気付き始めた私は、これからさらに「当たり前」のことに気付かされることになるのです。

 

もうすぐ冬に入る秋の終わりのこと、勤めている施設の店内を歩いていたとき私はお客様に声をかけられました。

 

お客様「すみません、トマトはどこにあるのかしら?」

私「はいっ!聞いてきますので少々お待ちくださいませ!」

私「トマトって売場にないけど、いつ出るの?」と野菜販売の事務員さんに尋ねたところ。

野菜販売の事務員「トマトはもう終わりですよ~」←めっちゃ年下の子でしたけど。

私「えっ?・・・・・・・・」

 

そうなんです!本当に私は愚かでした。

トマトは【夏野菜】だったのです!!!(あったりまえなんですが)

こんな当たり前のことに気付かず30歳を過ぎてしまっていたのです。

スーパーに行けば年中ある野菜なので、【旬】ということを知らないまま歳を重ねてしまったのです。なんということでしょう・・・。

でも、私にトマトがどこにあるか尋ねてきたお客様はもっとお年を召していらっしゃいましたけどね・・・。

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『新鮮なこと、旬であること・・・これって美味しさに関わってくることなのでは?』と当たり前のことに私はやっと気付いていくのでした。

 

私が子供の頃、農産物は小売店やスーパーでなければ購入するすべがなかった時代でした。八百屋さんはあったかもしれませんが、私が住んでいた町にあったかは記憶がありません。

そんなわけで、一般的な野菜が年中販売されていることに、何の疑問も持たずに生きてきたわけですね。農業生産が盛んに行われている町で育っていたのですが・・・。

育った環境次第で、当たり前なことが当たり前じゃないというか、知らずに生きていくことに怖さを感じ始めました。

 

こうして農産物の『本当の美味しさ』に魅了されていく中で、旬のことや流通のこと、その土地にあう作物や業界のこと生産者さんのことをどんどん知るハメ、イヤ、学ぶことになっていくのでした。

 

続く

*過去の話が長~くなりそうなので、日記はまだまだ先になりそうです。(謝)

新鮮ということに気付く・・・

キュウリの美味しさに目覚めた30代(遅)。

野菜が美味しいと衝撃を受けたその日に、生産者さんのキュウリを購入。

家に帰ってむさぼるように「美味しい!美味しい!」とボリボリ食べつくしました。

『今まで食べていたあの不味いと感じていた野菜は何だったんだろう?』と疑問を持つようになった私は、他の野菜にもチャレンジしてみようと決意!

 

キャベツ、人参、大根・・・今まで避けてきたこの野菜たちと向き合ってみました。

採れたの産直野菜を購入してみることに。

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どれもまずは生で食べてみると・・・

なんと!なんと美味いことか!

みずみずしくて甘いじゃないの~!

 

『こ、これは、もしかして・・・【新鮮】だから美味しいのでは・・・』と当たり前のことにこの歳まで気付かないというか、食べず嫌いで野菜を避けていた私。恥ずかしいことですが、遅くてもこんな大切なことに気付かせてくれた生産者さんに感謝ですね。

 

私は田舎に住んでいたのですが(今もです)、運悪く?農業を営んでいる方が周りにいなかったこともあり、採れたの野菜を食べたことがありませんでした。つまり私の家族はスーパーで野菜を買っていたんですね。

祖父母に育てられた私はちゃんとした手料理を食べさせてもらっていましたし、味も大変美味しかったのですが、何故か野菜だけは苦手な子供で、そのまま大人になってしまったわけです。怖いですねぇ・・・。

 

野菜が美味しいと知った30歳を過ぎた私は、ここからどんどん農産物というものに惹かれていくのでした。

 

続く

 

 

 

 

人生を変える野菜との出会い

はじめまして。

 

私は現在なかなかの年齢ではございますが、かな~り前のお話から始めたいと思っております。

 

子供の頃の野菜嫌いは大人になれば解消するだろうと勝手に思っていた若い自分。

しかし!一向に野菜嫌いが治らず、迎えた30代(怖っ)。

野菜と距離を置いて生活をしてきた私に人生の1つ目の転機が訪れたのです。

ヒョンなことから野菜の直売所がテナントに入っているある施設の会社に入社。

野菜に興味のない私はテナントである直売所に見向きもせずに過ごしておりました。

 

ある日のこと。

 

直売所に出荷している若めの生産者さんに声をかけられました。

「vegeさん、これ今朝収穫したキュウリだから食べて♡」とキュウリを差し出されました。

私「ヤバイっ!キュウリは絶対カブトムシの味がするぞ(注:カブトムシは食べたことありません)!どうしよう・・・」

でも、30歳を過ぎた私は大人対応をしなければと心に決め・・・その生産者さんの前で爽やかなアイドルのようにキュウリを頭からガブリッ!とかじりました。

 

「ん?............................あれ?カブトムシの味がしない、あっ、甘っ~~~~!」

 

衝撃でした!恐る恐る食べたキュウリは甘くてジューシーで、サクサクで、何も味付けしてなくても、本当に美味しかったのです!

 

私が今まで食べていたカブトムシの味がするキュウリは一体何だったんだろう・・・・・?

 

この衝撃的なキュウリのせいで、イヤ、おかげで私の人生が大きく変わっていくのです。

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続く